内臓脂肪とは?
内臓脂肪は、おなかの臓器のまわりに蓄積した脂肪
食事などから摂取した栄養(糖や脂質)が消費できずに余ってしまうと、それらは脂肪となって蓄積されます。そのうち、おなかを中心とした内臓のまわりについた脂肪が「内臓脂肪」です。

内臓脂肪は、おへその高さを基準にした「胸囲のサイズ」や「CTスキャンによる面積」で測定されます。
内臓脂肪と皮下脂肪は、どう違う?
肥満には、内臓脂肪が蓄積した体型(リンゴ型肥満)と皮下脂肪が蓄積した体型(洋ナシ型肥満)の2つのタイプがあります。どちらも中年世代以上に多くみられ、なかでも男性はリンゴ型、女性は洋ナシ型の肥満になりやすいといわれています。それぞれ外見的な違いだけではなく、原因や性質も異なります。
①内臓脂肪が蓄積した体型(リンゴ型)
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- ■おなかの内臓周辺に脂肪が蓄積する。
- ■上半身に多く脂肪がつく。
- ■脂肪がつきやすく、減らしやすい。
- ■血圧、血糖、コレステロールなど複数の健康リスクを抱えやすい。
- ■男性に多い肥満タイプ。
②皮下脂肪が蓄積した体型(洋ナシ型)
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- ■皮ふと筋肉の間に脂肪が蓄積する。
- ■下半身に多く脂肪がつく。
- ■脂肪がジワジワとつき、減らしにくい。
- ■二の腕やお尻、太ももなどに脂肪がつきやすい。
- ■女性に多い肥満タイプ。
年齢とともに内臓脂肪がつきやすくなる
「太りやすくなった気がする」「食べる量は変わっていないのに…」など、中高年の方が感じやすい体型の変化には、年齢に伴う基礎代謝量の低下が関係しています。基礎代謝は、生きていくのに必要なエネルギー消費。呼吸や心臓の拍動、体温の維持など、何もしていなくても絶えず使われているエネルギーのことです。
ところが基礎代謝量は、加齢による身体機能の低下とともに減少。運動不足などで筋肉量が低下するとさらに減少してしまいます。すると摂取した栄養を消費しきれなくなり、脂肪がつきやすくなるのです。

参考文献:厚生労働省策定 日本人の食事摂取基準2020年度版、平成30年国民健康・栄養調査結果
40代男性の「3人に1人以上」が肥満
女性は「年齢とともに太りやすい」傾向に!
厚生労働省が発表した「平成24年 国民健康・栄養調査」によると、肥満(BMI25以上)に該当する割合が、男性は40代の3人に1人以上で、女性は年齢とともに増加する傾向にあることが確認されました。

参考文献:厚生労働省「平成24年 国民健康・栄養調査」
内臓脂肪は、つきやすい…。でも、減りやすい!
内臓脂肪は、皮下脂肪と比べて「つきやすく、減りやすい」という特徴があります。内臓脂肪をため込む原因になりやすい、食生活や運動などの生活習慣を改善することで減らせることがわかっています。食事のバランスや1日の過ごし方を見直すなど、できることから少しずつ内臓脂肪対策をはじめてみませんか。

BMIチェック
- 肥満の判定には、身長と体重から計算されるBMI(Body Mass Index)という数値が用いられています。
日本肥満学会が決めた判定基準では、統計的にもっとも病気にかかりにくいBMI22を標準とし、25以上を肥満、さらに肥満度を4つの段階に分けています。
肥満の基準となる、体重と身長から算出されるBMIをチェック!

※標準体重とは、統計上もっとも病気になりにくいとされる体重のことで、BMIが22のときの体重です。
標準体重 = 22 X 身長(m) X 身長(m)